この度、教室のピアノを新しくすることにしました
この春に新しい調律師さんにピアノの調子を見ていただきましたが、色々な面で老朽化していることを伝えられました。
今のピアノを購入したのは、1996年、弾き続けて28年になります。
これまで多くの生徒さんに弾いてきていただいたこのピアノ、私もこの楽器にはずいぶん支えてもらってきました。
まだまだ現役だ！と思ってきましたが、実際は弾くたびにタッチや、鍵盤のぐら付きなど感じてはいました。
一般的には、グランドピアノは一生そして次の世代へも耐えられる丈夫さがあります。
メンテナンスは年に一回か二回手を入れる必要はありますが、環境を整えて丁寧に弾いていれば何の問題もありません。
しかしこの教室を開講し、日々たくさんの生徒さんが弾くピアノです。
私自身、まだまだ今後10年、20年教室を続けていきたいと思っていますし、そう考えるとそろそろ新しい楽器を迎えなければとは、思っていました。
今回の調律では、色々と手を入れていただき見違えるように良くなっていました。
弾き心地はもちろん、音の伸びやかなこと、高音の響き、まろやかさとても素晴らしくて、弾くことがより楽しくなったのです。
しかしこれから益々メンテナンスをしっかりやらなければいけなくなること、そして教室を続けていく以上は、生徒さん達、そして何より私自身に応えてくれる楽器を持っていなくてはならないと言う話を伺いました。
日々悩んでいたのですが、先月ショップに展示してあるピアノを売りに出すと言う話を聞き、本格的に考える決心をしました。
大きさは、3型のグランドピアノです。
今教室あるのは、1型よりも小さいモデルですので、だいぶ大きくなってしまうことに少し戸惑った気持ちもありましたが、音量はそれほど変わらないとの話でしたので、それならと安心してそのモデルのピアノの購入を決心しました。
しかし購入の契約書を書きに行ったその日、最後に話しておかなくてはならないと、営業の方がshigeru kawai『SK』にしなくて本当に良いのでしょうか？と、私に尋ねてきたのです。
いえいえSKほど素晴らしいピアノは、我が家には置くのは勿体無いです。
環境が整った場所に置いてこそ、その良さがわかるピアノですから、私の家に迎え入れるべきものではありませんからと、きっぱりお断りしたその後に、さすが営業の方だと今振り返るとその瞬間どう気持ちが動いたのかをうまく説明できないのですが、、、
ピアノは人を選べないけれど、私はもっと気持ちを広げてもっと貪欲にわがままに選択する事ができる。
ここまで続けてきたこのピアノ人生を、せっかくなら良いピアノで彩ってあげるべきだと。
部屋にそぐわないとか、この歳になってそんな贅沢な物をとか、あと何年続けられるかわからないし、、と尻込みする必要は、果たして何の為であるのか？
そう聞きながら、そして金額の見積もりなども出していただいて、徐々に前向きに、もしかしたらそうしても良いのかもしれないと、、、少しづつ具体的にそして硬く固まっていた気持ちが和らいでいくのが感じられました。
まるで導かれるように、そして隠れていた私の奥深い場所に眠っていた気持ちを緩やかに呼び起こしていく様に、新たに提案されたこのお話、それが今回新しく購入するピアノになります。
一度気持ちを整理して、その案を持ち帰り一週間考えた結果、Shigeru Kawaiの購入を決めました。
一番小さい型ですが、音楽教室の大部屋でもこの型のピアノが設置してあり弾いた感じの響きも打鍵も全て、弾き心地の良い全てにおいて演奏する側の気持ちを汲んでくれる素晴らしいピアノであることは分かっています。
このピアノを迎え入れる気持ちになったのは、この教室を続けて38年経つこと、そして多くの生徒さんたちが通ってくださる今のこの現状がそうさせたのだと思います。
1人で趣味で弾いているだけでしたら、ここまでの決心は私にはできなかったと思います。
生徒さん達のおかげでこの教室を進めていくことができる事、日々感謝しております。
選定をしてこの教室に入ってくるのは、7月下旬になります。
Shigeru Kawaiはとても丁寧に作られていて、一台一台手作業の工程も多く、あの大きな蓋の部分にあたる響板においては何年も天然乾燥させるため粒達の良い最高品質の音が出るそうです。
皆さんの身体に目に、そして耳により一層感性を上げられるように、私も指導を頑張っていきたいと思います。
どうぞお楽しみにしていて下さい。
そして残りの期間、今のピアノをどうぞ可愛がってあげて下さい。
よろしくお願いします。