リズム感と表現力 感情を込めて弾く

ピアノを弾く時に、どうしたら感情を込めて弾くことが出来ますか?

投稿日:2020年2月6日

たきぐちピアノ教室では年に3~4回おさらい会を行なっています。

年齢の高い生徒さんの演奏を真剣に聴いている低学年の生徒さんから、「どうしたらあんな風に身体を動かして弾けるの?」「強いところ、弱いところをつけて弾いているのはなぜ?」「聴いていたら涙がでそうになった」そんな質問や感想があがります。

他には、高校生や大人の生徒さんからは、ピアノを弾きながら感情を込めるってどう考えればいいのでしょうか?こんな悩みを伺うこともあります。

どうして目をつぶって弾いているの?

最近は動画の配信も充実していて、著名なピアニストの演奏もすぐ観たり聞いたりできる便利な世の中になりました。それを見てこんな質問を投げかけてくれるのはとてもうれしいことです。

しかしその反面でなんでも気軽に手に取ることができ、受け身で待っていればなんでも与えてもらうことができて、自分の力でやってみようという気持ちが少なくなっている気がします。

ピアノなどの楽器を演奏すること、また運動や勉強もそうですが、自分の力でやりきって結果につなげるものは子供の成長には、とても大事なものだと思います。

自分の力でピアノの演奏にも様々な思いを込められるようなヒントになればといつも思っています。

まずはその曲の楽譜をじっくり見てみましょう。

強く弾くところ、弱く弾くところ、まただんだん強くしていったり、だんだん弱くしていく部分もあるでしょう。
それからテンポを少しづつゆっくりしていく部分や、反対に速くしていく部分もあるかもしれません。

強い音、弱い音で弾く部分に気付いて、その音を出すにはどうしたら良いかを考えていきましょう。

弱い音を出す時って皆さんはどうやって弾きますか?
指を鍵盤に置く時の意識から気をつけないと大きな音が出てしまいますね。
身体を少しだけ前に傾けて、小さい音を出すためにそっと弾こうと、様々な準備をすると思います。
強い音を弾く時とは明かに違う動作があると思います。

また反対に強い音を弾くときはどうでしょうか?

背もたれにもたれながらとか、指を鍵盤に置いたままでは強い音は出せないと思います。逆に鍵盤を上から叩くようにするのも違いますね。

それぞれ身体も、指もそして気持ちも準備してその音を出します

ピアノはとても繊細で細やかな音をだせます。その反面太く、力強い音を出すこともできます。
それから強い音や弱い音を出すイメージを作るのによくお教室では歌を歌います。その曲の強弱を自分の声でやってみるのです。

その曲を歌ってみましょう。

立ち上がってすこし肩幅に足を開いて
右手のメロディーをその強弱をつけながら歌ってみてください。

弱い声を出すとき、強い大きな声を出す時では歌うときの立っている姿勢も変わってきますね。

『フォルテ』のところは、お腹から力強い声を出せますか?

声を出す時は、足をしっかり踏ん張らないと強い声は出ません。喉から出すのではなくお腹の底から出すように腹筋に力を入れて歌ってみましょう。

それでも肩は上がらないように、余分な力は抜いています。

その足の踏ん張りと、お腹を支えている状態を覚えて今度はピアノを弾いてみましょう。
今と同じように『フォルテ』の音を出す時は座っている時の足は地面にしっかり足の裏をつけて「ヨーイドン!」といつでも走り出せる姿勢で身体を構えます。

指の先でその音をしっかり支えられるよう下腹にも力を入れて、それでも肩は上がらない、手首の力が抜けることを意識しながら指先で支えます。

弱い音で弾く『ピアノ』の部分はどうでしょう?

歌っている時の優しく弱い声、少し身体を聴いている相手に傾けてくなりませんか?優しい声で歌っているとき、顔の表情はどんな感じですか?

例えば歌うだけではなく、相手の耳元にこっそりと内緒のお話を、それもヒソヒソ声で話しかける時は、自分の身体を相手に近づけて、そっと耳元へお話ししますね。

それをピアノを弾く時も同じ気持ちでやってみてください

ヒソヒソとやさしい声で「あのね、、、」と話しかけるように弾いてみてください。
身体を少しピアノの方へ傾けても良いかもしれません。
指先は丸くしてそっと鍵盤に触りながら、でも力を抜きすぎると音は出なくなってしまいます。
考えることがたくさんあって難しいですね。

そんなことをじっくり考えながら弾いていると、自然に目をつぶって指先だけに集中力を高めたくなるかもしれません。
あるいは身体が自然に前かがみになったり、手首をそっと上下させると、うまく弾けるかもしれません。

色々な方法を試しているうちにそれがこういう気持ちで弾きたいな、こういう強い気持ちで弾きたいな、と感情となって演奏する姿勢に出てきます。感情は、込めようとして込めるものではないと思います。

その曲の中でどの部分が好きですか?

彩香

その弱く弾く音はどうやって演奏しますか?
あるいはその強い音を出す時は、どんなイメージをもって演奏しますか?

山に登って気持ち良い!と深呼吸して「ヤッホー」と叫んでるところでしょうか?それとも美味しそうなケーキを前に「うわ~~うれしい!」と喜んでいる所でしょうか?
それとも道に迷ってしまって「おーい!ここはどこー?」って叫んでいるイメージかもしれません。

いつも過ごしている生活の中にもピアノを弾くためのヒントはたくさんあります。

強い音や弱い音を弾くためのその観察が、やがて自分の今の気持ちをこの音にこめたいと思う気持ちにつながってくると思います。
それにはたくさんの練習が必要ですし、何より演奏を聴くことも大事です。
1番良いのは生の演奏を聴くことです。是非コンサートへ足を運んでみてください。

行かれない環境でしたらCDを聞いたり、今は動画の配信がとても充実していますから、それを見て感じることもできます。
それでもやっぱり感情込めるのなんて無理!と思ったら、その曲の一番の魅力、1番好きな部分はどこかな?を考えてみると良いと思います

あなたは、その曲のどの部分が好きですか?
メロディーの綺麗な部分が好き。
リズムがノリノリなところが好き。
ここのなんとも言えない和音の響きが好き。

などなど、気に入った所がきっとあると思います。

そうしたら、ここは絶対間違えないで弾きたい、とかこのリズムの練習を何回もやったり、和音の弾き方もこうしたらいいかな?とか、様々なアイデアや秘訣、工夫が出てくると思います。

そうして試行錯誤したら、例えば録音をして自分で聞いてみて反省したり、人の前で演奏して感想を言ってもらうことも大事。

そうしているうちにきっとあなたの演奏は見違える様な演奏になると思います。

頑張りましょう!

-リズム感と表現力, 感情を込めて弾く

Copyright© 駿河区「たきぐちピアノ教室」初心者からのピアノレッスン , 2024 All Rights Reserved.