例年より遅れた梅雨入りとなり、今年は蒸し暑さが余計に身体に堪える気がします。
こちらのブログであと4週間と書いたのがつい先日のように思いますが、いよいよ7月に入り発表会まであと13日とせまってきました。
最後の追い込みに頑張っている生徒さんもいらっしゃると思います。
日にちは、まだありますから焦らずに丁寧に一つ一つ重ねていってください。
急にテンポを速くしたり、ガラリと雰囲気を変えたくなったり色々悩むこともあるかと思いますが、今の速さのまま、まずは間違えずに通せているか?と考えながら練習してください。
積み重ねは、急には飛躍しません。
右手、左手の片手奏の積み重ねが、やがて両手奏になり、それを何度も練習して間違えない様に弾ける様になる。
それが出来るようになって、徐々にテンポを上げたり、強弱やフレーズを意識して演奏できるようになります。
日々のコツコツと積み重ねてきたものが、やがて花開いていくことは、勉強やスポーツ何においてもそうでしょう。
そんな地道な努力が必要です。
この様に音楽を作り上げる経験を小さい頃から頑張ってきた方は、自分で表現をする力を持つことができる様になってきます。
例えば社会に出た時に、自分の言葉で表現できる、そしてやり切る忍耐力、集中力を持ってると思います。
この発表会が皆さんにとって大きな貴重な経験となります様に、私も精一杯日々のレッスンを頑張っていきますので、何か悩みやご相談がありましたらいつでもおっしゃってください。
さて、ここで今年の講師演奏の曲のお話を少ししますね。
今回はドビュッシーの作品を選びました。
クロード・アシル・ドビュッシーは1862年8月22日にフランスに生まれました。
そのころの世界の芸術は、絵画ではクロードモネやルノワールに代表される「印象派」の作品が現れた頃の時代です。
空気や風や光までもがその絵の中に感じられるような、自分の目に映ったその印象をキャンバスにそのまま表現している様な作品が印象派の作品と言われています。
音楽の世界も、そのころの時代に活躍したのがドビュッシーやラベルでした。
彼らも、音で色彩の濃淡や光の差した風景、海の波音、月の輝く様を音楽で表そうと、多くの繊細な作品を世に送り出しました。
印象派の絵画に似た細やかさが特徴といわれています。
ドビュッシーが幼少期に過ごしたカンヌという街での美しい景色や暮らしは、10歳にも満たなかったドビュッシーに大きな影響を与えたと言われていて、大人になった彼の音楽活動に反映されたともいわれています。
花々の香りや薔薇の咲く小道、人々の会話や風景などの鮮明な思い出が、あらゆる感覚に訴えるドビュッシーの音楽の源になっているそうです。
今回演奏する「ピアノのために」という作品は、本来は、3つの楽章からなるドビュッシーピアノ曲です。
1896年に第2楽章にあたるサラバンドを作曲し、その後1901年に今回のプレリュードと、3楽章のトッカータを作曲し、「ピアノのために」としてまとめたそうです。
全体的にリズムは非常にはっきりとした曲ですが、メロディーはレガートで綺麗にそしてピアノpの音量で弾かねばなりません。
この2つの全く違う性格を弾き分けることによって構成されている曲です。
フォルテとピアノ、そしてピアニッシモ、ピアノピアニッシモと強弱の差もあります。
軽快なリズム感と色彩豊かな印象を、ピアノでいかに表現できるか、世界観を作りながら練習しています。
今回は、ソフトペダルをたくさん使います。またグリッサンドで演奏するところもあり弾いていて楽しい曲です。
皆さんも発表会本番までのカウントダウンに、自分を追い詰めるばかりではなく、その曲の大好きな部分を探してみたり、その作曲家について調べたり、この曲はどんなものを表現しているのだろう、、と深く掘り下げる時間を持つのもいいと思うのです。
弾き方を何度も問い詰めてしまいがちですが、時代背景や、作曲家の想いなど、その曲に隠された新たなメッセージを発見できて、その曲に対する気持ちもより、新鮮なものになることもあるかもしれません。
時間を見つけて、是非お家の方と一緒に調べてみてくださいね。
そして体調を整えることも大切です。
睡眠をしっかりとって、しっかり食べること、そして気持ちを晴れやかにすることも大事です。
閉じこもって動画やゲームばかりやらず、外へ出て深呼吸、雨も続きますが、傘を差して雨音に耳を澄ませながら色々な音を聞いてみてください。
それでは7月のレッスンもよろしくお願いします。